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マンション管理 Q & A

近年はライフスタイルの多様化などの要因により、管理組合内や区分所有者間でのトラブルが多く発生しています。そこで、マンション管理で知っておいていただきたい法令、トラブルの解決方法、建物関係についての相談事例を紹介します。

法律・ルールについて

 

Q1マンション管理規約の作成において注意事項を教えて下さい。

A1 管理規約で定めることができる事項には、区分所有法どおりにしか定めることができない強行規定と、区分所有法上規約で別に定めることができる事項(任意規定)と、特に制限のない事項の3種類があります。

   任意規定の場合には、区分所有法に「規約で定めることができる」などの記載があり、その場合には規約が優先されます。

【強行規定】

1)  共用部分の著しい変更の決議要件のうち議決権数(法171項、21条、66条)

  2)  管理所有者による著しい変更行為の禁止(法202項)

  3)  規約の設定・変更・廃止に関する決議要件(法311項、681項)

  4)  集会招集請求権の定数を増加させること(法343項・5項、66条)

  5)  特別決議事項について、招集通知に通知されていない場合は決議できないこと

   (法372項、66条)

  6)  管理組合法人の設立・解散決議(法471項・552項)

  7)  義務違反者に対する訴訟提起の決議要件(法57条~60条)

  8)  建物価格2分の1を超える部分の滅失の場合の復旧決議の要件(法615項)

  9)  建替え決議の要件(法621項)

【別段の定めができる事項】

  1) 共用部分を決める(法42項)規約共用部分

  2) 敷地を決める(法51項)規約敷地

  3) 共用部分の持分割合(法144項)割合は平等でもかまわない

  4)  共用部分の変更決議をする際の区分所有者数(法171項ただし)定数は過半数でもよい

  5)  共用部分の管理(法182項)集会によらず規約で決めることもできる

  6)  共用部分の負担の割合・利益収受(法19条)

  7)  専有部分と敷地利用権分離処分可能の定め(法221項ただし)

  8)  専有部分に係る敷地利用権の割合(法222項)

  9)  管理者の選任(法251項)選任方法は規約で定めることができる

  10) 管理者の権限(法26条)規約で保険契約、訴訟代理権、保存行為範囲等が決められる

  11) 管理者を共用部分の管理者にする(法27条)

  12) 区分所有者の責任負担割合(法29条1項)

  13) 一部共用部分の規約(法302項)

  14) 規約の保管者(法33条)管理者いない時は規約又は集会の決議で定める

  15) 集会招集請求権者の定数(法343項、5項)定数は規約で減ずることができる

  16) 集会招集通知の期間(法351項)規約で伸縮できる。

  17) 掲示による集会招集通知(法354項)

  18) 決議事項の制限(法372項)

  19) 議決権の割合(法38条)「1住戸につき1個の議決権」等の方法も可能

  20) 集会の議事における決議要件(法391項)

  21) 議長(法41条)議長の資格は特別な法的制限はない

  22) 管理組合法人の代表理事、共同代表の定め(法495項)

  23) 管理組合法人の理事の任期(法496項)3年以内で定めることができる

  24) 管理組合法人の理事の定数(法497項)規約で理事の員数を決める

  25) 解散した管理組合法人の残余財産の帰属(法56条)

【規約で任意に規定できる事項】

  1)  管理組合の名称、業務、事務所の設置

  2)  管理組合役員の資格、職務権限、選任方法等

  3)  集会の成立要件

  4)  管理費等の額、徴収方法等

  5)  専有部分、共有部分の境界区分、専有部分の用途等

  6)  近隣及び地方自治体等との協定等の承継

 

トラブル解決について

Q1総会運営について教えて下さい。

A1総会の準備、総会の議事、総会での採決方法について回答します。

1)総会の準備

  • 総会開催前に区分所有者総数、議決権総数を所有者名簿から確定しておきます。
  • 出席通知書、委任状、議決権行使書を整理し、あらかじめ出席区分所有者数、出席者の議決権数、委任状及び議決権行使した区分所有者数、議決権数をそれぞれ記載したリストを用意します。
  • 総会の当日は受付で、実際に出席された方をリストに基づいて確認します

2)総会の議事

  • 標準管理規約 第47条 第2項 に「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する」とあります。議長は組合員の立場で議決権を行使することとなり、過半数で決します。過半数の賛成が得られなかった場合は否決となります。

3)総会での採決

  • 採決に入るタイミングは、質疑が十分に行われ、大方の質問が出尽くしたと思われた時点で、議長による質疑打ち切りの宣言が行われた後です。総会が荒れた場合、このタイミングは非常に難しくなります。

4)採決の方法

  • 採決は拍手、挙手、起立など、どんな方法でも構いません。但し、特別決議の場合は、賛否における区分所有者数と議決権の数を議事録に記載する都合上、挙手以上の方法によります。
  • 明らかに賛成多数または全員賛成が見込めるときは「拍手」や「賛成」などの発声を受けて議長が「賛成過半数をもって可決(承認)されました」旨の可決(承認)の宣言をして構いません。合理的な理由(事前集計で規定数に達しているか、或いは規定数以上の同意を得ている事が誰の目にも明らかである場合の会議時間の合理的短縮)があると判断できる場合です。
  • 一部に反対がある、またはその数が問題になる特別決議の場合は、「挙手」か「起立」による「決」をとります。
  • 建替え決議の場合は、反対者の氏名を記録しておかなければなりませんので、誰が賛成、誰が反対したかを記録しておきます。
  • 採決のあと、賛成、反対の数を明確にしろと区分所有者から要求される場合があります が、普通決議の場合であれば、議長としては、議案の可決に必要な賛成があったか否かを明確にするだけで良く、それぞれの票数を明示する必要はありません。

 

建物関係について

Q1大規模修繕工事の進め方について教えて下さい。

A1大規模修繕工事は、巨額な工事費が必要であり、「長期修繕計画にあるから、工事を実施 する」ではなく、長期修繕計画はあくまでも修繕時期の目安であり工事を実施する前に工 事の要否をその都度見極める必要があります。    

一般的には、修繕予定時期が迫ってきたら、建物診断等を実施し、工事の実施時期、内容 等を検討します。建物診断には、日常点検や修繕状況から劣化の目立つ部位等についても 診断内容に取入れるとよいでしょう。次に、修繕工事の一般的な進め方を示しますので参 考にして下さい。

 

ステップ① 体制の確立

修繕委員会等の立ち上げ。工事の実施方式とパートナーを決める。    

※総会(方針の決定)         

ステップ② 建物の調査

建物診断やアンケート調査により修繕の必要性を確認する。   

※建物診断費用の発生         

ステップ③ 調査結果の周知・説明

報告会や広報で、居住者の認識を深め、意見の交換を行う。         

ステップ④ 修繕の検討

修繕内容を検討し、基本計画を行う。    

ステップ⑤ 修繕内容の決定・承認

説明会等により修繕計画を確認し、合意を得る。    

※必要に応じて臨時総会(修繕内容の承認、予算、発注方法)        

ステップ⑥ 詳細設計

見積りのための見積もり要領書や設計図書(図面、仕様書)を作成する。    

※実施設計費の発生         

ステップ⑦ 見積もりの徴収

公募等により施工会社を選定し、見積り依頼、見積り説明会の開催、見積りの徴収、見積り内容検討、面接等を行い、施工会社を内定する。(設計監理方式)         

ステップ⑧ 施工会社の決定・契約

工事発注者について総会決議を行い施工会社と請負契約者を締結する。    

※総会(工事発注の承認)    

ステップ⑨ 工事の準備

工事説明会を開催し、工事の周知と居住者の協力を要請する。     

ステップ⑩ 工事の開始

定例工事会議、進捗状況の広報などにより工事を円滑に進める。各部の工事中検査の実施。     

ステップ⑪ 工事完了の手続き

竣工検査の実施、竣工図書・保証書の受取、工事費の清算を行う。竣工後の点検、アフターサービスの内容等を確認する。    

ステップ⑫ 新たな維持管理へ

アフターケアの確認。日常点検を実施、長期修繕計画の見直し。